ごめん、ちょっと前のことなんだけれど、写真を整理していたらふつふつと文句が湧いてきたので、久しぶりに文句言う。前文句言ったのは春だったかしらね、あれも京都だったわね。
……ダメだオオノ…もしかしたら京都のチンケフレンチは相に合わないのかもしれない…。
おかしいなぁ、東京のチンケフレンチは、ここのところガッツと骨のあるチンケが出てきて、『どうしようチンケフレンチと称するには可哀想すぎる気がしないでもない気がしてきたどうしよう』とチョッピリどきどき不安になることが、稀ぇぇにあるのだが、京都チンケよオマエはダメだ、京都のチンケフレンチはチンケフレンチだ!
奥さん、最初の水のコップはですね、京都散策して脱水状態になったオオノが出されたミネラルウォーターを一気飲みした水ではありませぬ。
これはですね。『森のアロマ』といいましてね、コップに森のアロマという木の香りを封じ込めた水を入れ、その風味を全身で味わっていただくものでございます。
やりたいことはわかる、だがそれをやるなら全身全霊細心の注意を注いでやってくれ。コップを拭く湿ったふきんの匂いがするぞ。木の香りを嗅がせたいなら檜風呂でいいじゃん、まず街と森とじゃ水の質が全然ちがうんだから、コレやるなら京都らしくちょっと山行って湧き水汲んできてやろうよ。
『森』が好きか、なぜみんな『森』が好きなんだ、テーマ『森』ってもうずいぶん前にNARISAWAがやって流行ったんだよね、でもNARISAWAの『森』テーマは終始一貫して『森』をテーマにしていた。だがここは違うよねブレてるよね、森ってアミューズまでだよね?最後まで『森』やりきってくれよ、構成として前振り回収しようよ、シェフならではの『森』の解釈を見せてくれよ感じさせてくれよ、土食わせろとか言わないけれど、よくわからんのじゃよ。
森のアロマ?難しいぞ、森の香りは腐葉土と湿気の有機質の香りだ。イメージだけで語ってんじゃねぇ。ダメだオオノ、もうすでに最初の水コップですでに地雷を踏み抜いちまって、もう素直になれないごめんパパ。
で、なんで最初にこんなにたくさん並ぶの?サプライズはいいけど、味が重い・甘い。最初からデザート?ってくらいなんだけど…水コップで水飲ませておいて感覚をリセットさせた次に甘いのゴンゴン連発ってゴメン意図がわからんの。立て続けに風味の濃い半熟卵じゃん?初手から濃い味連発してきて味潰してくれた後に、薄いソース(ジュじゃねぇぞ)と素材から風味を探れってチと辛くね?
魚にも肉にもなんでもかんでも出汁かけるの止めぃよ。オオノはそこに必然性を感じられない。
温度にも濃度にも味にも存在にも納得できない。『テーブルでお客様の為に仕上げさせていただきます』のパフォーマンスにしか感じられん。あぁファッションか、調理法がファッションになってるチンケフレンチならではだな。
松茸様に後がけの出汁?うん、それ和食のほうがいいよね、だって日本人だもん。魚に「プレミアムエッセンス2010」?ごめんわからない、温度これで適切か?。低温調理牛に「軽いジュ」?いや低温調理の仕上がりにスープ状態ソースって合わないと思う、だって隣に練りつけてある濃いチネチネは何?ソースじゃないの?
で、食後に煎茶はいいんだけれど、入れ方大丈夫か?えらい渋味立ってねぇか?煎茶として濃度といい味といいこれでいいとは思えないんだが。
でさ、どうでもいいけれど、低温肉最初に固まりでディスプレイしてくれたよね、でスライスして一切れ乗せてくれたよね、他は?足りないからもっと食わせろっていったら追加で出てくるんだよね?
出てこないとしたら、そのディスプレイ、許されんからね。わかってるよね?
……ダメだオオノ、京都のチンケフレンチは、まったく相に合わん。ごめん、理解できんのだ。
コンセプトを持つのはいい、だったらそれを食べる人にゴリゴリ体感させてくれ、最後までストーリーをつなげて納得させてくれ、読後感を良くしてくれ。設定だけ盛りに盛ってそれを活用できてないって、どんな三流マンガよ。
設定すんなら食材手法ひとつひとつに必然性を持たせろ。シェフがどの食材で何を伝えたいのかわからせてくれ。
手数皿数を増やして、調理法や食材がただのファッションやディスプレイになっているのが、チンケフレンチ。OK?奥さん。
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設定を盛るだけ盛って普通に大団円「で、あの設定何か意味あったの?」って単に自己満足マンガで読者つまんない。
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